アルゼンチンタンゴダンス体験超入門初心者クラス|東京タンゴスクール



タンゴダンスに関するアレコレをコラム形式で解説します。タンゴ初心者の方は是非お目通しを。
ベテランの方も、目から鱗のタンゴの秘密も。どうぞごゆっくり楽しんで行ってくださいね。

MilongaのCodigo

ミロンガで多くの人が気持ち良く踊る為の、いくつかのCodigo[暗黙のルール]のことです。
これはBsAsでのミロンガの長い歴史の中で、自然と出来上がって来たものなのです。実生活で周りの人に迷惑をかけずに、一緒に楽しめる為の意識と全くかわりません。堅苦しく考えないで、仲間達と楽しむのだと思えば、その実行は可能だと思います。でも私達タンゴを愛する外国人達はその歴史と文化が無いので、トラブルが起きがちです。日本には日本にあった慣習でタンゴを楽しむのはいいのですが、ブエノスアイレスのタンゴ文化に敬意を払って、それを理解しておくことがとても重要だと思います。そうすれば、アジアを始め世界各国、もちろんBsAsに行った機会に、タンゴを心から楽しむ事ができる思います。(順次内容を追加する予定です)

Linea de Baile (フロアを左回りにながれること)



 自動車を運転するにあたり、皆が安全に運転
 するための交通法規があるように、
 ミロンガにも最低限の交通ルールがあります。

 フロアを左回りにゆっくりのと流れてゆく事です。


ミロンガでは、音楽がかかると、男性は女性を誘ってフロアに出ます。そのときにフロアの外側に沿ってフロアを左回り(半時計回り)に踊り始めます。フロアの最外周がうまったら、その1列中へ。それでも場所が無ければ更に内側へ。初心者などは、フロアの真ん中の近くで。これもCodigo。

各ペアが全然バラバラの方向に、好き勝手に踊っていると、ぶつかって踊りが中断したり、怪我になるので、それを避ける為に必要なルールです。自由な踊りだからといって、人に迷惑をかけるのは当然NGなのです。

しかし、これを守って踊るのは大変難しい。フロアの最外周を踊り続けるには、男性に技術が必要なのです。とくに混み合って来た時に、その線上の位置を維持するのは、とてつもなく大変なのです。しかし、男性に取ってその行為自体が自分の踊りの技術の高さを示す行為ですし、自分が誘った素敵な女性をフロア周りの座っている人にアピールできるのです。それをすることにより、次のカベセオの成功率も変わると言われます。だから、BsAsのミロンゲーロ達は、意地でもそのポジションを保持するように踊ります。これは年の功としか思えない程です。

Tanda y Cortina


 ミロンガでは、多くの人が踊りやすくするために、曲の雰囲気を統一します。だいたい3、4曲で一つの楽団、或はリズム(ミロンガ、ワルツ)、或は歌手で選曲します。この曲の一塊のことをTanda(タンダ)といいます。また、このTandaとTandaの間に流れる曲をCortina(コルティーナ)といいます。


例えばDiSarli楽団なら、その楽団だけでTandaは作られていて、その音楽を身体にならしてゆく事により、パートナーと心地よく踊ることが出来ると言う効果があるのです。もっと云うと、その楽団の年代や歌手によって、細かく選曲していたりします。

楽団により、リズムの形態、強弱、アクセントや遊び、メロディの違いなど特徴が様々で、どの音をとって踊るかで、タンゴは如何様にも踊る事ができます。表のメロディ(主旋律)だけでなく、裏のメロディ(副旋律)をとることも可能です。

誰ですか?おんなじ曲相だと飽きちゃうなんて云う人は?
もしかして、テンポでだけしか踊っていないのでは?どうでしょうか?。
もしそんな感覚が在る時は、そのタンダは止めるか、パートナーを換えた方がいいですね(笑)。

この効果を最大限に発揮するのは、お互いがその曲を知っている事が大事です。タンゴダンスは、踊りですが、音楽に対する知識と経験があるのと無いのとでは、タンゴのパートナーシップの共有感は段違いに異なると思われます。

このTandaが終わると、Coritnaと呼ばれるタンゴではない曲がかかり、フロアで踊っている人達に、Tandaの終了と、一度フロアから席に戻ることを促します。これは、多くの人が色々な方と踊る事ができる為のルールであり、また、踊った相手の踊りが合わなくて断り難いときに、必要なものだったりもします。一度フロアがすっかり空くことで、雰囲気がガラリと変わり、新しい空気のフロアで新たなTandaを楽しむことができるのです。間違ってもCortinaの曲で、踊ったりしませんように。Codigoを知らない、田舎者だと思われてしまいます(実際外国人に多い)。でも、話が尽きなくて、まだフロアで喋っているアルゼンチン親爺も多い(いつまで喋ってんの?)。

Coritnaがかかったら、それまで踊っていたパートナーにお礼を言い、男性は席まで送ってあげるとベストです。

Cabeseo:カベセオ



最近は日本のミロンガも、ブエノスアイレスのミロンガに習って、
カベセオしようという流行があるようですね。

では、カベセオとはなにか?



YoutubeとかでCabeseoと検索すると、いろいろなCabeseoが出てきます。ウィンクしながら頭をかしげたり、あるいは、頭を激しく振っていたり。前者の方は、ミロンガで使える方ですが、後者の方は激しい音楽のノリで頭を振る事をCabeseoと言っているようです。つまり頭を意志を持って振る事をCabeseoというのです。ヘビーメタルの音楽で頭を前後に激しく振る映像が出た時は、お腹をかかえて笑いましたが。。。

タンゴダンスの世界では
ミロンガで女性をお誘いする時に、男子の顔の表情や仕草で誘う事を言います。

これ、日本人にはちょっと難しいのですよね。(正確には日本の文化に於いては)

儒教の影響で、目上の方を敬う時は目を見ないという習慣が残って要るのではないかと思います。また"恥ずかしい"というのも日本人の文化の一つなので、相手の目を見る事に慣れていないのです。ふつう、日本でのこの行為は,"ガンをつけている(睨んでいる)"になるわけで、相手に敵意を持っている行為として思われるわけです。好意的に視線を送る事に、慣れていないのでしょうね。結果、ミロンガで"ガンつけて"女性を誘えるわけが無いですよねー。

でも、どうにかして、相手に踊りたいと言う意志を伝える為には、普段から表情を鍛えなければならないのです。その点、ラテン人は表情豊かで、気持ちを顔に出すのが得意なのです。でも、日本の男性は、女性をお誘いする為や意志を伝える為の顔の表情筋を動かすことに、普段から慣れていないのです。Cabeseoひとつとっても日本人タンゴダンス愛好家はタンゴの文化から遠いわけなのです。

しかし、どれだけ男性がCabeseoスキル(技術)を上げても、女性にCabeseo受信アンテナが機能してないと、これもまた役に立ちません。いつでもCabseoを受ける準備があり、その選択権は女性にあるという意志を持って背筋を伸ばして目を男性側に開いていないと、男性からの熱い視線を受けられないのですよね。逆に言うと、踊りたい男性の方だけを熱く見ていると、彼の視線がその女性に入った時にすぐOKできる訳です。

こんなやりとりが出来るのも、普段からブエノスアイレスの人達は、Cabeseoに慣れているのです。Cafeに入れば、Moso(ウェイター)にCabeseoして注文したり、勘定をしたり。Colectivo(バス)では、女性や年配者に席を譲るときに、遠くに居る人にもCabeseoでお知らせしたり。ひどい交通渋滞のときに、知らない人同士が、顔を見合わせてウンザリしてみたり。普段の文化がミロンガにあるのです。タンゴだからといって特別な訳ではないのですね。

いつか、Cabeseoクラスというものをしなければならないのかもしれないですね。
表情だけで、気持ちをつたえるとか。。。ははは(実は真剣)。

Abrazo de Tango

 タンゴダンスの素敵の大事の一つであるアブラソ。抱擁、ホールドなどと訳されますが、アブラソはアブラソなのです。他の言葉に訳すとピンと来なくなる。タンゴを踊るにあたり、パートナーを組む二人が一緒に踊る為に、私達はAbrazo(アブラソ)する。日本の文化にない、この上半身の接触は、多くの人を悩ませる。そして、このAbrazo無しに本来のタンゴは存在しない。

組む位置。


タンゴのアブラソには大きく分けて、Abrazo Cerrado(Closed Posision)とAbazo Abierto(Open Posision)に別れる。
つまり、上半身が接触したまま踊るか?上半身の接触をしないで、手と腕のみでアブラソするか?




Abrazo cerradoにも、上半身がぺったりと接触するスタイルもあれば、それを少し横にずらすスタイルもある。また、踊る相手との上半身の位置関係がV字型に開くスタイルもあれば、同様にそれを横にずらすスタイルもあります。

元来、こう出なければならないというものはないのですが、タンゴの先人達が踊りやすさ、
彼らの体型(!)の経験の中で得た歴史が、大体上記のようなスタイルに分ける事が出来ます。
ミロンゲーロ達(ミロンガの踊りの達人)は、教えられた訳でなく、それが踊りやすいからそうなったと思われます。

タンゴを学ぶものにとっては、多くの可能性が存在するこのAbrazo。ミロンゲーロ達のように何十年もかけて学ぶには現代の都会の人には、あまりに時間が足りないのために、****スタイルといった風にカテゴライズして学ぼうとするのでしょうね。

バランスの取り方


 Abrazoする二人のバランスの取り方には、大きく3種類あります。
1.お互いが、それぞれの身体の軸で立つ場合。
2.二人ともが重心を前に持ち、軽く押し合うことにより、
  二人の間にも軸を持つ場合。
3.二人とも外バランスになり、引っ張り合う事で軸を共有する場合。


1.2.のような、ひとつのバランスの取り方だけで踊りきる事もできますが、1〜3までをミックスして踊る人も居ます。要は、二人が踊ろうとする時に、その動きに必要なバランスを用いることです。


手の位置、持ち方


 Abrazoするにあたり、男性の左手と女性の右手。男性の右手と女性の左手は、コネクションの為に様々な組み方を用います。

男性の左手が極端に上に上がっていたり、やたら後ろにひいていたり。手がおかもちだったり。或は女性の左手が男性の右肩越しに上から抱いていたり、首に巻き付いていたり。。。いろいろな個性豊かな組み方がありますが、大切な事は二人が心地よく感じ、リード&フォローが最も容易であると感じる方法なのです。パートナーが居る人は、ぜひお相手に手の持ち心地を聞いてみて下さい。パートナーなら最高のアドバイスをくれるはずです。

Zapatos de Tango タンゴシューズ

 アルゼンチンタンゴダンスの見た目の特徴の一つに、ヒールの高い女性のタンゴシューズが際立ちます。普段ヒールの高いパンプスなんて履かない女性も、タンゴを踊るときにはぜひ、タンゴ専用のダンスシューズを履いてもらいたい。タンゴシューズのバランスは、タンゴを踊る為のバランスに女性を立たせ支える役割をなすのです。

立てない?!

 両足で立ちましょう。内股をあつめるようにして。
指の付け根に重心をのせ、背たかやジャンプをしていられる位置に。
重心が決まったら、土踏まずを床に近くイメージしてみましょう。
かかとにずっしりと体重をのせることは、普通はないので、かかとの高さは本当は関係ないのです。
軸足の膝はわずかに緩ませ、いつでも屈伸できる状態に。

歩こう

 前に歩くときは、胸が前に進みたいという動機をもって、
身体が行くから、足がついてくるような感じで。
後ろは、普通の歩き方ではないので、慎重に。
軸足の上に居る間に、フリーの足を送り出し、重心のバトンタッチをスムースに。
軸足が交代のときのかかとは、床に触れても、ずっしりと乗らないように気をつけて。

足に合ったものを

 いまは、ほんとうに素敵なタンゴシューズが作成されるようになりました。
私達が踊り始めたころは、赤、黒、茶、白、の色の違いぐらいしかなかったような気がします。
でも、どんなに素敵なタンゴシューズでも、足が痛かったり、バランスがとれなかったりしたら
まったく意味をなしません。